モールスキン ジャケット /フランス製ヴィンテージ【ブラック】

アウター
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【モールスキン】

おい、お前ら、ちょっと聞け。

ユーロワークって、知ってるか?

トレンドなんてものは風のように移り変わる。

だがな、昔のリアルに使われてきた服ってのは、そう簡単に色褪せるもんじゃねえ。味があるんだよ。

ワードローブにひとつ、歴史の染み込んだワークウェアがあるってのは、なかなか粋なもんだ。

しかもだ、ヨーロッパのワークウェアってのは、アメリカのと比べると一味違う。歴史が違えば、服も違うってわけだ。

さて、俺が今から語るのはユーロワークの中でもド定番、フレンチワークの

「モールスキンジャケット」

(まあ、普通は青が定番だが、今回紹介するのはレアな黒だぜ)

今じゃフレンチヴィンテージの鉄板とも言える一着。

当時から傷んでもリペア(修理)され続け、それに耐えうる生地や縫製が

未だに現代の人々を魅了しているやばい服だ。

この記事では、俺が持っている1950年代のブラックモールスキンジャケットを、フランスワークウェアの歴史と絡めて紹介してやる。

このジャケットがただの古着じゃねぇってことを、しっかり伝えたいんだ。

そして、関連してこっちの記事では、1940年代当時のブラックモールスキンのアドルフ・ラフォンのサロペットも紹介してる。

こいつも間違いなくヤバい一品だ。興味があれば、そっちもぜひチェックしてくれ。俺のオススメだぜ。

フランスワークウェアの歴史

産業革命と作業着

まずな、産業革命以前ってのは、みんな仕事も家も同じ服を着てやがったらしいんだ。

ほとんどが農民だから、家と仕事場の違いなんてどうでもよかったんだろうよ。

とはいえ、汚れたまんまで過ごすなんて、俺には耐えられねぇな。笑

だが、産業革命が起きて、時代がガラッと変わった。日常の服と作業着がきっちり分かれるようになったんだ。

そして作業着ってのはただの服じゃねぇ。

命を守るための鎧みたいなもんだ。

実用性はもちろん、半端じゃない耐久性、修理も簡単で、何よりコストが安いってのが求められてたんだよな。

結局、服も戦いの道具だったってわけさ。

https://lusinebleue.com/the-bleu-de-travail/

ワークウェア ”ブルー・ドゥ・トラヴァイユ“

フランスの鉄道整備員、炭鉱夫、農夫たちが着てた作業着、いわゆるワークジャケットにはフランス語で総称があんだ。

こいつがメチャクチャカッコいいんだが、、、

**ブルー・ドゥ・トラヴァイユ(Bleu de Travail)**

直訳すれば労働者の青

この響きにはなんとも言えねぇ美学がある。

まるでその青が、労働者の魂そのものって感じがするだろ?

この色をまとった労働者たちは、まさにフランスの現場を支える英雄たちだ。

L’ÉTABLIより引用

労働者の青

ただな、最初っから青が労働者の色ってわけじゃねぇんだよ。

1700年代には、労働者はダークグレーや黒の服を着てたんだ。

1800年代に安価で手入れが楽な合成ブルーが登場した。

それからだ。青が“労働者の色”として定着していったのは。

結局のところ、労働者には「安い色着とけよ」って話さ。それがたまたま青だったってわけだ。

けどな、その青には、いつの間にか誇りが宿ったんだよ。まるで、その色が労働者たちの歴史を背負っているようにな。

1800年代初頭には、軍隊、海軍、警察、消防士…いろんな職業の奴らがこぞって青い制服を着るようになったんだ。

始まりのブランド “アドルフ・ラフォン“

でな、

1844年に最初の標準化された「ブルー・ドゥ・トラヴァイユ」ってもんを作り上げたのが

“アドルフ・ラフォン (Adolphe Lafont)”

今でもこいつはフランスのワークウェア界じゃ伝説的なブランドだぜ。そろそろ創業180年だとよ。

まさにフレンチワークウェアの原点だ。こいつを知らなきゃ話になんねぇってやつだ。

https://www.a-lafont.com/en/pages/notre-histoire

そのデザインもまた秀逸でな、裏地のない青いコットンモールスキン、フロントには4~5個のボタン、デカいポケットが2つ、胸ポケットもついてて、まさに“労働者の道具”って感じだ。

そいつを見りゃわかる、無駄な装飾は一切なし。
純粋に機能だけを追求した、シンプルなデザインだが、そこには圧倒的な存在感があるんだ。

アイデンティティとしての青

1800年代末には「ハイドロブルー」って耐久性バツグンの青色染料が主流になる。
摩耗しねぇ、色褪せしねぇ、漂白にも負けねぇ

もはや、「何しても俺は青でいるぜ!」ってくらいの耐久性だ。もうここまでくると、染料のくせに根性すら感じるよな。

そんで、1900年代には青は労働者階級のアイデンティティそのものになった。

ただな、監督者とか偉そうな奴らは白や黒を着やがった。だからこそ、黒のモールスキンは今でもレアだし、手に入れるのは至難の業なんだよ。

ちなみに白なんてもっとレアだぜ。実物なんて俺も見たことがねぇ。笑

青と時代の変化

でもな、1960年代になると、労働者たちが青い作業着を着ることに違和感を覚え始める。「なんで俺たちだけがこの青を着なきゃならねぇんだ」ってな。

そうして工場から青が消えていく。労働者たちは自分たちの誇りと共に、青を脱ぎ捨てたんだ。まさに悲劇のブルーだな。


だが、時代ってのは皮肉なもんだ。

1968年、パリで学生たちが反乱を起こしてな、今度は中流階級の学生どもがブルー・ドゥ・トラヴァイユを着ることで労働者階級と連帯しようとしたんだ。


こういう感動的な背景があるから、今でも“ブルー・ドゥ・トラヴァイユ”はフランス産業の誇り高いシンボルであり続けてるんだよ。

最強の生地 ”モールスキン”

さぁ、次は生地について語らせてもらうぜ。

1800 年代のフランス産業界における実用的で快適、長持ちし、安価な作業服に対する需要の高まりから生まれたフランスのリアルワークウェア

“ブルー・ドゥ・トラヴァイユ”

その中でも、最も象徴的で密接にブルー・ドゥ・トラヴァイユと結びついている生地

それが “モールスキだ 。

(モール【mole】=モグラ / スキン【skin】=肌)


コットンツイル、コーデュロイ、いろんな素材がある中で、このモールスキンってやつが一番強ぇ。耐久性抜群だ。まさに、労働者たちのために作られた最高の相棒って感じだな。

モールスキンという生地の正体

元々はフスティアンっていう布織物だったんだが、今じゃモールスキンって呼ばれてる。簡単に言えば、コーデュロイの表面を削ったようなものだ。

硬すぎず、でも簡単には破けねぇ。これを着て働いてると、まるで自分がフランスの労働者たちの一部になった気がしてくるんだよ。ヤバいだろ?

「現代のモールスキン」ってやつは、サテン織り、いわゆる横繻子織りの技法を使っている。これがまたスゴいんだ。

通常の織り方よりも、太い横糸を縦糸の間にギュッと詰め込むことで、超高密度の生地が生まれるってわけだ。

この織り方の結果、表面には高級感のある光沢が出てくる。まるで、ワークウェアがただの作業着じゃねぇってことを誇示してるみたいに輝くんだよ。

裏側は、ブラッシングで毛羽立たせた後に刈り取って、スエードのように柔らかく仕上げられてる。

この生地がモグラの毛に似てるってんで、「モールスキン」って名が付いたって話だ。

余談だがな、数少ない横繻子織りの生地と言えば、あのジョン・レノンも愛用していた米軍ミリタリーのOG107ユーティリティシャツのコットンサテンもそうだ。

ただし、モールスキンと言えるほどには横糸の密度は足りねぇけどな。モールスキンはその上をいってる。機能性も耐久性も、現代の生地に匹敵するものなんてほとんどねぇ。

圧倒的な強度と機能性

そして、こいつは風も通さねぇし、防風性も抜群だ。それだけじゃない。防水効果まで持ってるから、屋外での作業にも最高に向いてるんだ。

例えば、農業従事者にとっては、家畜の毛が生地を貫通しねぇから便利だったし、溶接作業では火花を弾いて安全を守ってくれる。これじゃ重宝されるのも当然だろ?

https://www.vetementpro.com/blog/post/1053-bleu-travail-histoire-evolution.html

生地の強度がデニム以上って話だが、そいつはガチだ。モールスキンの生地はとにかく厚い。だけど、こいつはただ硬いだけじゃねぇ。

なんせ、保温性もあるし通気性も抜群なんだよ。だから季節を問わず、これ一枚あれば快適に過ごせる。

しかもな、摩擦に強ぇ。例えば、木の枝に擦れたり、壁にこすったりしても、全然音を立てやがらねぇんだ。

静かすぎて「お前、生きてるか?」って思うくらいだが、しっかり現役だぜ。今でも狩猟服として愛用されてるってのも、そりゃ納得だろ?自然の中でガンガン動いても、こいつはびくともしねぇ。

国境をこえた認知

で、驚くなよ。こいつが50年代になると、アメリカの英語圏にまで広がってたって話がある。

もうタフな生地ってのは、国境なんて関係ねぇ。おそらくアメリカ人も「これ、すげぇじゃん」って言いながら着てたに違いねぇよな。

あの英国の誇り“バブアー”だって、ポケットの内側にモールスキンを使ってるって話だ。

バブアーといえば、あの防水オイルジャケットで有名だが、その内ポケットにモールスキンを選んでるんだから、こいつの信頼度が伺えるだろ?

ヴィンテージとしての価値

そして、一番のポイントはこれだ。ヴィンテージのジャケットを見てみろ。何十年も着続けられてきたのに、今でも驚くほど良い状態で残ってやがる。普通は服の方が先にくたびれるんだが、モールスキンは逆だ。

「お前がヘタるのが先か、俺がヘタるのが先か、どっちが長持ちするか試してみろよ」ってなもんだ。こいつは、着る奴よりタフで長持ちする。

いや、むしろ、こっちが年老いても、こいつはまだ元気っていうね。

【モールスキン】

ブラックモールスキンジャケットのディティールとその魅力

ここから俺の愛用しているブラックモールスキンジャケット細かなディティールや、年代なども交えて語っていく。


フランス製 ブラックモールスキンワークジャケット DEAD STOCK

シャープな襟の形 

俺が今持ってるブラックモールスキンジャケット、これは50年代頃のものだと思われる。

まず理由の一つは、襟の形だ。

こいつは丸襟じゃなくて、しっかりとした通常の襟だ。そこがまたいいんだよな。

30年代あたりのモールスキンジャケットってのは、もっと丸っこいラウンド状の襟が多かったんだ。それも悪くねぇが、あれはちょっとクセが強いんだよ。

正直言って、丸襟のデザインってのは、フランスのワークウェア感が前面に出ちまう。だからコーディネートに取り入れるのが難しい。

「いかにも仕事着」って感じがプンプンして、普段着にすると浮くことがあるんだよな。

SONY DSC

それに、丸襟はフランス感も強いが、加えて30年代はシルエットとしてはAライン強めだからちょっと可愛くなりがちで、着こなすには難易度も高めだ。

50年代のこの襟の形はもっと使いやすいんだ。コーデに自然に落とし込めるから、カジュアルでもキレイめでもバッチリ合う。

どんなスタイルにも馴染むってわけだ。

シンプルなスクエア型ポケット

次に注目すべきはポケットだ。これがまた面白いんだよ。

まず、30-40年代のモールスキンジャケットV字ポケット、いわゆるVポケが特徴だ。

このデザイン、クラシックで実用的だ。V字にカットされたポケットは、物を入れたり取り出したりするのがやりやすいんだよ。しかも中身が落ちにくいから、労働者にとっちゃ理にかなってる作りだ。

だがな、50年代に入ると、これが変わるんだ。ポケットがスクエア型に進化する。

Vポケはレアなのは間違いないが正直、こっちのデザインも悪くねぇ。
直線的な襟の形とピタッとハマるんだよ。

SONY DSC

50年代のジャケットは、シンプルで、見た目がスッキリしてるスクエア型のポケットがしっくりくる。デザインの全体のバランスが取れてるってわけだ。

製造も簡単でコストが抑えられるって点もあるが、やっぱりこの形も普段着に取り入れやすい

ま、こういうのは着てみりゃ分かるもんさ。デザインってのは単に見た目だけじゃなく、そこに込められた機能と思想、それをどう着こなすかがポイントだ。

自然由来の希少なコロゾボタン

さて、次に注目したいのがボタンだ。この小さなパーツが、実はデザイン全体の印象を左右するんだよ。

20年代のモールスキンジャケットには、メタルボタンが多く使われていた。

金属製のボタンってのは、タフで重厚感がある。まさに「労働者の鎧」だ。重みがあって、服全体を締める感じがする。俺はこの無骨な感じも嫌いじゃない。

30年代になると、ラッカーボタンが登場する。

メタルに比べて軽く、少し光沢がある。ツヤッとした見た目が、ちょっと洗練された印象を与えるんだよな。

そして、ついに俺の50年代モールスキンジャケットの出番だ。

このジャケットに使われているのは、コロゾボタンだぜ。

コロゾボタンは、硬くて丈夫、それでいて自然由来の素材だから、どこか暖かみがある。それが50年代のモールスキンジャケットの持つ、シンプルな中にもしっかりとした存在感を与えているんだ。

金属やプラスチックとは違った、柔らかさとタフさの絶妙なバランスが、俺は気に入ってる。

モールスキン特有の経年変化

最後に、このジャケットの全体のシルエットを見てもらおう。

このジャケットの経年変化ってやつについて話したい。

30年代のモールスキンジャケットも確かに素晴らしい。軽くて動きやすいし、そいつはそいつで味がある。

でも、50年代に入ると、生地がさらに厚くなって、これがまたタフなんだ。

その分、丈夫さが増して、より長い年月をかけて深い変化を楽しめる。

正直なところ、このジャケット、デッドストックで手に入れたもんだから、まだまだ着倒してねぇ

エイジングが進むどころか、まだまだピンピンしてやがる。

そーいえば、買った時、店員との話がまた盛り上がって

これ、着倒してエイジング進めてくださいね」って言われてさ。

俺はその時、冗談半分で「じゃあパジャマ代わりにでも着ますかね」なんて言ったんだが、実際のところ全然そこまで着れてねぇんだよ。

結果的に今はまだ大した経年変化見られないけど、これからが楽しみだってわけだ。

なんてったって、俺のこのブラックモールスキンが、これから渋いグレーにフェードしていく様を楽しみにしてるんだよ。

モールスキンってやつは、着れば着るほど体の動きに合わせて独特の変化を見せてくれる。擦れたり、折り目ができたり、色落ちしたり、全部がその人間の動きに合わせて変わってくるんだよ。

まるで、このジャケットが俺と一緒に成長していくような感覚だ。これはな、時間が作り上げる美しさってやつだ。

【モールスキン】

全体のコーディネート

俺のコーデイネートを簡単に紹介するぜ。

ジーパンと白T

シンプルなジーパンに白Tシャツ。そしてブラックモールスキン。これだけで十分だろ?

そして緑のスカーフでも足してやればこれがまた、いい具合にアクセントになって全体の雰囲気をガッチリ引き締めてくれるってわけだ。

だがな、上品だからってキメすぎてるわけじゃねぇ。程よく自然体。それがこのスタイルの魅力だ。

シンプルだけど、決して地味じゃない。これが、俺の狙いなんだよ。

チノに同色のカジュアルシャツ

次はアルビーチノにベージュのシャツで、全体的に落ち着いたトーンを意識してみた。

そして、そこに同色系のブラウンのスカーフをひとつアクセントに加えてる。どうだ?派手すぎないが、ちゃんと小洒落た雰囲気は出てるだろ?

ポイントはな、全体を柔らかめのトーンでまとめながら、ブラックモールスキンジャケットで締めてるってところだ。

トーンを揃えてる分、こいつがしっかりと目立ってくるんだよ。シンプルな色合わせだからこそ、このブラックが引き立つ。

全体的に大人っぽくて落ち着いた感じだが、そこに今っぽい空気も漂わせてる。

ブラックモールスキンサロペット

最後に締めるのは30年代のモールスキンのサロペットだ。これを合わせてくるのが、クラシックフレンチスタイル。

頭にはハンチング帽、足元にはパラブーツを履いてみろ。そしたら、まるでフランスの靴磨きの少年みたいなスタイルが完成だ。

これが、ただの古着コーデじゃねぇ。昔のフランスの労働者たちのリアルを感じさせる、粋なスタイルなんだ。

なんつうか、ただのファッションじゃねぇんだよ。これが歴史を背負ったスタイルってやつだ。


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まとめ

最後に締めくくるが、やっぱり俺が伝えたいのは、このモールスキンジャケットへの愛情だ。

ただの服じゃねぇんだ。これは、時間と共に育っていく相棒みたいなもんだ。

着れば着るほど、擦れや色落ちが自分の動きに合わせて出てくる。

まるで自分の歴史が刻まれていくような、そんな感覚だよ。こういう服は一度手に入れたら、もう手放せねぇ。

それが、このモールスキンの醍醐味なんだ。

このジャケットは、俺にとってただのファッションアイテムじゃねぇ。

労働者たちが着続けてきたその背景、その歴史を感じながら、今俺も着ている。

着るたびに、ただのおしゃれじゃない、本物の“味”が出てくる。だからこそ、俺はこのジャケットを愛してやまないんだ。

だから、俺が伝えたいのは、みんなもただの流行りじゃなくて、自分のスタイルを持ってほしいってことだ。

モールスキンジャケットは、その答えの一つかもしれない。じっくり着込んで、自分の動きや生活と一緒に成長していく。

そいつが本物のファッションだろう。

【モールスキン】

PS. そういや、買った時にポケットからしわくちゃになったタグが出てきたんだ。広げてみたら緑と白の色で『BEAU FORT』って書かれてた。

でも、悪いな。写真を載せたかったんだが、タグは捨てちまったんだよ。残念だ。笑

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